新宿区・婦人絹談員 湯漫範子
ももえさんヘ
先日、お別れする時の手のぬくもりが今も残っています。少し(かなり)混乱していて、その後も自分なりに考えたことがあるので、手紙にしました。
まず、NABAの会費と生活保護のこと。私は、初めて入会申し込み書を見た時の一万五000円という数字から、「生活保護の人は無理だわ」というのを強く覚えていて、この会費では生保の人は……と思いこんだままになっていたと思います。ただしいっぺんに払わなくてもいいと考えれば、充分可能な金額です。また改めて、ニューズ・レターのバックナンバーとか見て、NABAのワークシヨップは格安(!)で、集会なども生保の人でも可能だと気がつきました。高田馬場の駅で立ち話をしたとき、AKK(※)関係の講座、医療・カウンセリング機関の講座、ワーク等の金額が頭にあって一緒になってしまって話をした部分もあると思います。ごめんなさい。
その後、NABAのミーティングに行く交通費、ワークショップ等について、生活保護費で出るのか色々な人に聞いてみましたが、ある文章をどう解釈するかで出せるけれど、扱いはまちまちであることがわかりました。会費は出せません。私は交通費とワークの費用は、生保で出す方向で声をあげていった方がいいと思います。
生活保護は病気の人が受けて、病気は医者が治すというパターンがあるので、医者に行っても治らないアディクションの問題はとても理解されにくいし、医療機関以外のところで回復への道が探れる場合、そこにつながるための費用を保護費として、保障していくという大きな方向は、出していくべきだと思っています。その上で、自腹きってこそのいきごみは必要と思うし、そのとおりと思います。
昨日、伊波先生に新宿区役所にきて、話してもらいました。アルコールや薬物や食べ吐きもそうだと思うけれど、能力の高い人たちで力(パワ1)の方向がちがうだけの人たちに、今の生活保護のシステムをあてはめようとすること自体、無理があるという話があって、ほんとにそうだなと思いました。とはいえ、当面はある一時期「働けない」というより、働くより先にすべきことがあるというのを「労働不可」と判定して、生活保護にならざるを得ない人がいるのは事実で、福祉事務所でのトラブルや、いやがられている感じは、ひとつずつほどいていくしかないのかな、という風に感じています。
また、どこかでお会いできたら、お声をかけさせて下さい。
【ニューズレターNo.28:一九九八年 四月】
※AKK…「アディクシヨン問題を考える会」:アデイクシヨン問題に直接関わっている本人、家族、専門家たちによって設立された「市民の会」。