薫物依存者 スマイル
私の名前はスマイル、薬物依存者です。私はある薬物依存者の民間リハビリ施設のスタッフをしています。いまから二年半前、ガリガリにやせ細った一八歳になったばかりの女の子が突然、施設に現れました。アノニマス(匿名の)ネームを「れい子」といいます。しばらくすると姿がさっぱり見えなくなり、群馬県のある病院に入院したことが分かった。れい子の母親と一緒に病院まで会いに行き、着くとれい子の姿がない。その病院は山の中にあって近くにゴルフ場があり、山の木々や芝生の緑がひときわ舷しかったのを覚えている。れい子がゴルフ場のまわりを何周も歩くのだと言う。
太ることを強迫的に嫌がり、ただただ歩き続けていたのだ。同じ部屋に丸々とした女性がベyドから離れられず所在なさそうに目を開いていた。アノニマスネームを尚子といった。
れい子も尚子も薬物依存者のセルフヘルプグループのミーティングに参加し続け、回復の道を歩み続けている。
私がNABAの仲間に関心を持ち始めたのはその頃だったと思う。横浜のアディクション・セミナーの実行委員会に出た時だった。よく「私たちも仲間の集まる場がほしい」と言っていた桃江との出会いがあった。そして私の女性大好き病が、またまた頭を持ち上げてきた。私の子供と同い年位の女の子が施設のお誕生日会になると参加するようになり、普通ではないけどそのときだけは施設の雰囲気も変わった。自身を精一杯愛し成長する姿をそこに見ることができた。
プログラムを通して自身にトキメキ、仲間の輸の中でトキメキ、私には未だにNABAのことはよく分からないけど、分からないままに仲間と共に……トキメイテNABA。